レイヤードでみせる東京流エレガンス

東京ファッションウィーク2017AW、シンプルな中に垣間見えた新たな東京らしさ

ランウェイ

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東京ファッションを牽引する、シンプルでミニマムそしてプレーンなスタイル。発表された2017年秋冬コレクションでそこに新たに加わったのは、エレガントでシックなレイヤードだ。繊細な同系色が連なる様、また柔らかな素材の重なりが生む美しいドレープや動き。それは、新たな東京流のエレガンス。

DressedUndressed

何をもって東京っぽいファッションというのだろう。海外から見ればそれは「可愛い」だったり「ハイテク」だったり。派手で個性的なストリートファッションが話題になったことも記憶に新しい。ここ数年、日本の若者たちの間で流行ったトレンドといえばノームコアやジェンダーレス。”エフォートレス“という言葉をキーワードに、とにかくシンプルでミニマム、さらにオーバーサイズで色気や性別を感じさせないプレーンな服が主流だった。

そんな流れの中で発表された2017年秋冬のファッションウィーク。シンプルな流れを継続しながらも、新しい“東京らしさ”を感じさせるランウェイが目立っていた。スカートにパンツを重ねる、パンツにパンツを重ねるなどのレイヤードスタイルが多く見られた。従来のストリート感あるカジュアルな重ね着スタイルとは一線を画し、今シーズンの重ね着はエレガントかつシックな雰囲気。グレー、ベージュ、ブラウンなどのワントーンまたは類似色のレイヤードで、柔らかな素材のスカートやコートが歩くたびにひらひらと揺れる様は大人っぽい。体のラインを際立たせるのではなく、重なり合った生地の動きによって色気を感じさせる。そんな東京流エレガンスが新鮮だ。

HYKE

毎シーズンテーマを設けず、古着や何かしらのスタイルを再構築してコレクションを築きあげているHYKE。今シーズンのキーワードとして挙げたのは、ライダースジャケット、フライトジャケット、アウトドアクロージングの3つのアイテム。カラーはベージュ、グレー、ブラック、カーキ、ホワイトで統一していた。パンツ&スカートのレイヤード、スーツにはレッグウォーマーを重ね、ニットにはアームウォーマーを合わせるなどレイヤードの技が際立っている。カシミア混のウールで肌触りよいスーツ、ダブルフェイスのメルトン素材をたっぷり使ったポンチョ、高密度のハードメルトンで仕立てたウールフランネルのジャケットなど、ウールの様々な表情が見られる。

BED J.W.FORD

東コレのフィナーレを飾ったのは、ベッドフォード。テーラードを独自の解釈で表現し、エレガントで艶っぽい世界観を見せた。ジャケットの後ろ身頃は中央までカッティングされ、ポケットは斜めにつけられて裾は切りっぱなし。ワインレッドやイエローのベルベッドのジャケットからは長い丈のシャツやインナーが見え、ヒラヒラと見える布地が独特の色気を放っている。

HOUSE COMMUNE

大人の女性をターゲットに人気のブランド。今シーズンは都会に生きる女性の生活の延長線上にある日常という視点で「エレガンス」を考察したという。強くたくましい女性を表現したのは、メンズライクなアイテム。しかし、マキシ丈のトレンチコートにはスリットが入り、グレーのセットアップはベルトで細いウエストを強調し、女性らしく優美な印象に仕上がっている。カラーパレットは、ネイビー、ダークグレー、バーガンディ、キャメルなどのHouse_Commune定番ともいえるシックなカラーにピンクやレッドのさし色。

 ファブリックは、高品質な日本製の二重織ウールなどの天然素材をふんだんに使う反面、ヴィスコースや軽量ナイロンなどスポーティな素材のアイテムも加えて着心地や機能性にも配慮した。

ETHOSENS

時間のズレから生まれる“残像”を美しいレイヤードスタイルで表現した。ベースとなったのは伝統的なテーラードスタイルで、ジャケットやコートを主軸にした着こなしだ。ジャケットは複数のパーツが何層にも折り重なったようなデザインで、シャツも二重にレイヤーされてボタンが斜めに配され、パンツの裾もレイヤーされている。首にはスカーフを巻き、

CHIKA KISADA

元バレエダンサーという異色の経歴を持つデザイナー。バレエダンサーの衣装の縫製職人と製作したスペシャルピースのドレスや、ステージ用のヘッドアクセサリーを取り入れるなど、バレエとのコラボレーションに初挑戦した。ウールにポリエステル、ウールにモヘアやナイロンを混紡して、独特の柔らかさや繊細さを表現した。甘いデザインの中にも、どこか毒を含んだパンク的要素がコレクションを奥深く見せる。

DOUBLET

今シーズン主流だったシック&エレガントな流れに反して、強烈な個性が際立っていたのがdoubletだ。初のショーとなった今回のテーマは「未成年」。90年代レイブの雰囲気を再現し、モデルたちは一晩中踊り明かしたような汗だく&ぐちゃぐちゃ髪というヘアメイク。年齢や人種、体型、性別もバラバラのモデルたちはストリートハントした素人が大半で、中にはボディービルダーやドラアグクイーンなど個性的なキャラクターもいた。Tシャツから大きすぎるスラックスを吊るしたスタイルや、片足がないパンツ、見たことがある有名な商業ロゴをパロディにしたロゴ入りTシャツやトレーナーなどパンチの効いたデザイン。「KNIT」と書かれたウールニットのセットアップ、「UNDERWEAR」と書かれた下着、「XXL SIZE which has shrunk by tumble dry」と洗濯で縮ませたウールセーターなど遊び心あふれるモチーフがキャッチー。今シーズンピカイチの存在感を放っていた。

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