コレクションに加えたい、フェルトのインテリアアイテム

自然から生まれたハンドクラフト。その手で、その肌で体感して

インテリア

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フェルトアーティスト、グレース・ウッド。オーストラリアで生まれ育ったウッドには、“自然と寄り添う”という言葉がぴったりだ。地球に対する根強いリスペクトは、生き方あらゆる面において顕著に表れている。そしてウッドがフェルトデザインになぜメリノウールを使っているかも。

グレース・ウッドの根底にあるものとは

5才まで果樹園で暮らしていたというウッド。「もぎたてのフルーツは味が違いました。私の両親は農園をオーガニック果樹園に転換したのです。オーガニックがとても手間のかかるものだということを知りましたね」

環境的に持続可能、そして無農薬栽培。ウッドの生活はこうしたものが大きく占められていった。フェルトアーティストとして、驚くほど心地よいインテリアテキスタイル製品を生み出しているウッド。彼女が使用しているのはオーストラリア産ウールだ。環境をなるべく破壊せず、負荷をかけずに活動するアーティストやデザイナーに惹かれ、自身の作品や制作過程にも大きな影響を与えている。これでもまだ足りないようなら、付け加えよう。両親が実践するオーガニックな手法は、ウッドの作品にも取り入れられている。例えば染色。コチニール、キバナモクセイソウ、アカネ、ダリア、玉ねぎ、ターメリック、インディゴ……。フェルトウールをこうした天然エキスで自ら染色を行っているのだ。

おそらく、オランダのフェルトアーティストであるクラウディ・ヨングストラの元でインターンとして働いたことが、天然植物の染色への情熱に火をつけたのだろう。「100種類以上の植物が植わった庭をお持ちで、天然染色を行える場所もありました。インターン中、私はこうした贅沢な環境下にあったのです。化学的なプロセスを取り除いたら、手仕事はとても多くなります。考えたことはよくあったけれど、私が目指すべき哲学は環境を傷つけないということだと気付きました。だから、天然のエキスで染めるということは論理的に考えた結果ですね」

グレース・ウッド

写真:クリス・ウォーンズ

ウッドの両親は最近、「Clear Creek(クリアー・クリーク)」という新たな土地を購入。ここにはオーストラリアのメリノと交配種の羊がいる。オーストラリアのウール業界を強く支援しているウッドは、自身のデザインで使用するウールのほとんどを両親の牧場から調達しているという。こうすることで、牧場から素材(フェルト)、最終的な製品までのすべての供給プロセスにしっかりと関わることができるのだ。同じように持続可能なクリエイティビティを追求する世代を後押しすることも、目的のひとつ。職人技を感じる手法を復活させ、ウールの洗浄やフェルト製作も自らの手で行う。

今は牧場を離れ、シドニー西部の有名なブルーマウンテンズの生い茂った低草原地帯に囲まれ暮らしているウッド。ブルーマウンテンズは美しい眺めと険しい断崖でよく知られる観光地だ。

ウッドにはブルーマウンテンズで個人的にとても気に入っている場所がいくつかあるという。「ウェントワース・フォールズにあるレストラン、ザ・コンサベーション・ハット。カトゥーンバにあるキャリントン ホテルの暖炉のそばでの一杯。ヘイ山からの山々を見渡す言葉に言い表せない眺め。そしてなんといってもパラダイス。具体的にどことはお伝えできないけれど、もし見つけられたら、私がパラダイス(天国)だと言う理由が分かると思いますよ」

「コージーカップ」ジョージ・ファタルとの共同デザイン:グレース・ウッドが手がける製品がユニークだとされる所以は、その感触のよさだ。

すべての自然との日々のつながりが、グレース・ウッドの製品からひしひしと伝わってくる。

「私がいつも惹かれるのは、広々としていて景色が開けた場所。荒々しくて、荒涼としていて……。でも実際はそれほどでもなくて、たとえ空や雲でも、私のインスピレーションを刺激してくれるのです」とウッドは笑う。「自然のなかで生まれたままに存在する姿形は、私の作品にいつも表れています」

その作品名でさえ、自然からインスパイアされている。ベッドカバーは「Blue Waves(青い波)」や「Burnt Bush(焼けただれた茂み)」。クッションカバーには「Full Moon(満月)」、「Wolf Grey(ハイイロオオカミ)、「Black Birds(黒い鳥)」という名が。家で過ごす時間を暖かく、心地よくしてくれるアイテムたち。たとえ室内でも、アウトドアの気分を楽しませてくれる。

ウールフェルトはインテリアに色と質感を加えてくれる

写真:ローレン・ムシボー

「これはウールです。暖かくて、心地よくて、ソフトで。これらは魅力の一部ですね。作品を実際に見たり、触ってみることは、スクリーンや写真で見るのと大きく違います。何でできているのか、どうやって作られているのか聞いた時にみなが驚くのを見るのはすごく楽しいですね。壁掛けでも、どんな手触りなのか触って感じてみるのはとてもいいと思います」

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