キャンペーン・フォー・ウール

英国王室、ファッション界の重鎮がウールの普及活動に尽力

意識

- シェア -

英国のチャールズ皇太子、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ポール・スミス…。ウールが持つパワーに魅了されたこの3人は、世界規模のキャンペーン「キャンペーン・フォー・ウール」の熱心なサポーターとしてウールの普及・振興に取り組んでいる。

ウールが再び輝きを取り戻すために

チャールズ皇太子が環境保護活動に熱心なのはとても有名な話。今ほどオーガニックが浸透していなかった20年以上も前にオーガニックフードブランドを創設し、有機農場に関する著書(共著)も出版。気候変動や森林保護に関しても積極的に問題提起を行っている。

“ウールは再生かつ生分解可能(微生物によって分解が可能)な、究極の天然繊維。ファーム(農場)からファッションまで、ウールの素晴らしさを伝えるためにこのキャンペーンに取り組んでいます” --英国チャールズ皇太子

チャールズ皇太子が取り組む環境保護活動のうち、近年最も力を入れているのがウール。キャンペーン・フォー・ウールの発案者でありパトロンにも就任した皇太子は、かねてからウールの特性を絶賛。この活動について、「天然の良質繊維であるウールが人工繊維に押しやられている現実を知ったのが契機です。イギリスでは羊1頭分の羊毛価格が毛刈りのコストより低いと知り、大変ショックを受けました」と話す。

「ウールが世界経済の大黒柱だった時代は、実はそれほど昔のことではないのです。でも安価な化学繊維が高級素材に取って代わるようになった。これは世界中の牧羊業者にとって大打撃となりました。羊毛価格も下がり、羊毛生産の優先順位を下げざるを得なくなったのです」。

この状況に危機感を覚えた皇太子は国際羊毛産業の担当者をロンドンの自宅に呼び、解決策を模索。そして2010年、ここにキャンペーン・フォー・ウールが産声を上げることとなったのだ。

ウールに心奪われた者たち

キャンペーン・フォー・ウールには国や地域を越えて何百もの小売店、デザイナー、生産業者などが参加。文字通り世界規模のキャンペーンとなった。Paul Smith(ポール・スミス)、Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)、Topshop( トップショップ)も支持を表明している。

 

デザイン、生産、販売、そして購買までファッションに携わるすべての人に贈るメッセージ、それは「Live naturally, choose wool(ナチュラルに暮らすこと、それはウールを選ぶこと)」。 ヴィヴィアン・ウエストウッドは、「ウールは世界で最も優れた天然繊維のひとつ。着心地がいいし、冬は暖かく夏は涼しいからオールシーズン快適です」とその魅力を語る。

さらに再生可能、生分解可能。サステナビリティの観点からも、ウールは人工繊維とは比べ物にならないハイスペック。

天然繊維の愛好者だと公言するポール・スミスは「この仕事を始めてから最先端の繊維や生地に数多く出合ってきたが、私は今なおウールにこだわり続けています」と話す

こうしたメッセージを世界に発信するため、世界の大都市で毎年ウール・ウィークが開催されている。ロンドンの百貨店ハーヴェイ・ニコルスでは毛糸の巨大なボールを建物正面に飾り、サヴィル・ロウは牧場に変身。芝生を敷きつめ羊たちを放牧した。マドリッドのセラーノ通りには毛糸などで作ったオブジェを展示し、開催期間中「ウール・アベニュー」に姿を変えた。

こうしたイベントを重ねることで、吸湿、弾力、対燃性に優れたウールに対する注目はますます高まりを見せている。ウールの素晴らしい点は、科学の手を一切借ることなくこれらの特性を持ち合わせていることだ。


さらに挙げられる特性として、ウールはチャールズ皇太子にとってオンリーワンの素材であるということだ。

こちらもおすすめ