地球に優しいウールが東京ジャック

2016年キャンペーン・フォー・ウール。テーマは「天然で、再生可能、土に還る、ウール」

意識

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希少な天然繊維、ウール。毎年生えてくる羊の毛からとれることで完全に再生可能であり、生分解性を持つため土に還り地球を汚さない。2010年より、英国のチャールズ皇太子(プリンス・オブ・ウェールズ)の後援により、そうしたウール独自の環境性を広め、消費者の啓蒙を行うプロジェクトとして、キャンペーン・フォー・ウール(CFW)がスタートした。

2015年は、世界中でウールウィークが開催され、世界の牧羊業者、ファッションデザイナー、小売店、製造会社、インテリアデザイナーなどと多種多様なコラボレーションが実現した。ミラノでは、ファッションコレクション期間中、ザ・ウール・マーク・カンパニーとミラノウニカ(ミラノ市で開催されるテキスタイルの展示会)が提携してファッションショーを開催、モンテナポレオーネ通りを羊の群れと歩く催しを行った。英国では、サヴィル・ロウに牧草地を設置して60頭の羊と25人のモデルが登場し、特別に羊の毛刈り小屋が建てられた。さらに、オーストラリア、フランス、オランダ、中国、そして日本で、ウールをテーマにしたユニークなイベントが実施され話題を呼んだ。

そして、2016年。キャンペーン・フォー・ウールのテーマ 「天然で、再生可能、土に還る、ウール」 に賛同した多くのサポーターが集結。11月9日から15日まで、東京の様々なファッションシーンで多くの取り組みが展開された。

ウールがあふれる、伊勢丹新宿店と三越銀座店

主要パートナーである伊勢丹新宿店では、本館とメンズ館の全7フロアで、ウール製品にキャンペーンカラーのグリーンの下げ札が付けられ、ウールを表現したインパクトのあるインスタレーションがフロアに登場した。三越銀座店にはVRのヘッドセットが登場し、ウールの産地オーストラリアの牧羊場へのバーチャルトリップ体験が来店客の心を掴んだ。両百貨店における下げ合計数は7000枚にのぼり、参加ブランドはレディースとメンズ合わせて50以上。グリーンに統一された立て看板や、羊のインスタレーションなども置かれ、ウールの魅力とキャンペーンテーマが印象的に伝えられた。

アギ&サムのデザイナーが、伊勢丹メンズ館と2つのファッションスクールに登場

インターナショナル・ウールマーク・プライズ(IWP)のリテールパートナーでもある伊勢丹新宿店には、同アワードのファイナリストである英国メンズブランド、アギ&サム(Agi&Sam)のデザイナー2人がキャンペーンに先駆けて来日。伊勢丹メンズ館に特設されたIWPカプセルコレクションのポップアップストアではコレクションのコンセプトを象徴するブルーフェイスにペイントされたモデルを使ったスタイリングセッションが行われ、来店客と触れ合えるまたとない機会が演出された。

アギ&サムのデザイナーの2人は、日本が世界に誇る歴史あるファッションスクールである文化ファッション大学院大学(BFGU)と、海外の服飾学校として日本で最大規模を誇るエスモードジャポン(ESMOD JAPON) でトークセッションを行い、ファッションデザインを学ぶ学生たちに、ブランドの成り立ちや自らの経験に基づくデザイナーとしてのファッションビジネスの成功の秘訣を語った。質疑応答では、デザインのことやファッションデザイナーになるためのポイントなどを熱心に質問する学生の姿が見られた。

25以上のブランドやリテーラーが参加

加えて、多くのブランドやリテーラーがキャンペーンに参加した。ザ・ウールマーク・カンパニーとのカプセルコレクションを同時期に発売したATTACHMENTの代官山旗艦店には、ウールベール(ウールの原毛を輸送する専用の袋)がディスプレイされた。また、エルメネジルド ゼニア、チェルッティ、ハケット ロンドン、ドーメル、三陽商会グループのポール・スチュアートとクレストブリッジ、オンワードグループのJプレス、ナノ・ユニバース、ファセッタズム、N.ハリウッド、ディスカバード、ジョン ローレンス サリバンなど、25以上のブランドや店舗がキャンペーン・フォー・ウールに賛同しキャンペーンサポーターとなった。

デジタルでの拡散

キャンペーンは、デジタルでも大いに拡散した。その基軸となったのが、感度の高いファッショ二スタがアクセスすることで知られるファッションウェブメディア、THE FASHION POST内に特設されたキャンペーンページだ。キャンペーン開始前からスタートしたページは、キャンペーンを拡散させるハブとしての役割を果たした。また、イッセイミヤケ、メゾン ミハラヤスヒロ、トゥモローランド、エイチ ビューティ&ユース バイ ユナイテッドアローズ、アディッション アデライデ、THE PARK・ING GINZAなど、日本のファッションシーンをリードする32のブランドまたは店舗によるお勧めのウールアイテムがコメントと共に紹介されるコーナーも人気を集めた。キャンペーン・フォー・ウールのメッセージ、そして、ウールを愛する多くのブランドによって紹介されたウールアイテムを通じて改めてウールの魅力やバリエーションが伝わるコンテンツとなった。(キャンペーンページはこちらから:Campaign For Wool 2016 special page)

デジタルによる拡散はさらに、インスタグラマーによって勢いを増した。数万人のフォロアーを持つ人気インスタグラマー6名が、キャンペーン店舗を訪れ、キャンペーンハッシュタグ、#CampaignforWool #Woolmark #ChooseWoolと共にその様子を拡散。コメントつきでインスタグラムにポストされた写真には数千件のいいね!と多くのコメントが集まり盛り上がりを見せた。

百貨店、ブランドやリテーラー、アギ&サムのデザイナー来日、学校での取り組み、そしてそれらをデジタルで拡散するという立体的な取り組みによって、地球に優しい天然繊維であるウールの魅力が、東京のファッションシーンを席巻した。

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