ウールモダン展

クリエイティビティとイノベーション。ふたつが出会い、ウールの可能性を無限に広げたエキシビション

意識

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ウールの魅力を世界に伝える「キャンペーン・フォー・ウール」の一環として、2011年ロンドンで始まったウールモダン展。デザイナーたち自身も、もちろん観衆も。世界のいたる所で開催された同展では “究極のウール” が展示され、人々を魅了し続けた。

最初の地は、記念すべきロンドン

21世紀のウールに新しいプラットフォームを創るべくスタートしたウール・モダン展。2011年秋のロンドンを皮切りに、約2年かけて世界中を回ってきた。

同展のキュレーターはシャーロット・ルロット。環境に優しく実用性があり、なおかつ美しさもあわせ持つウールを、ファッションやプロダクトを通して広く伝えるのが狙いだ。

ファッション分野ではYves Saint Laurent(イヴ・サン=ローラン)、Thierry Mugler(ティエリー・ミュグレー)、Sonia Rykiel(ソニア・リキエル)といった伝統と歴史あるブランドのアーカイブ、そしてGiles Deacon(ジャイルズ・ディーコン)、Mark Fast(マーク・ファスト)、Alexander McQueen(アレキサンダー・マックイーン)、Erdem(アーデム)、Paul Smith(ポール・スミス)、Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)など著名ブランドの新作コレクションと違った魅力を持つ2タイプの作品を展示。さらにウール・モダン展が開催される国で活躍中のデザイナーの作品もここに加わった。

ウール・モダン展は2011年9月、英国ウールウィーク開催中にロンドンのラ・ガレリアで初の開催を迎える。「キャンペーン・フォー・ウール」の提唱者そして後援者でもある英国のチャールズ皇太子は、オープニングセレモニーに出席。その他ファッション、インテリア、ウールサプライヤー、製造、小売店などから関係者が大勢集まった。またアカデミー賞受賞俳優のコリン・ファース夫妻も出席。妻のリヴィア・ファースはサステイナブル(持続可能な)ファッションを強く支持していることでも有名だ。ウールは未来へとつながる希望の繊維であり、そのメッセージを広く伝えたいという思いを皆抱いている。

セレモニーでスピーチを行ったチャールズ皇太子は、その前年から取り組むキャンペーン・フォー・ウールに大きな反響があったことを報告。「激励を受け、とても励みになりました。最も注目すべきは、思いがけないパートナーシップの精神が新しく生まれたこと。そのおかげで、ウールに携わるすべての人が最大限の能力を発揮することができたのです」。

チャール皇太子が特に感銘を受けたのは、小売店によるサポート。「本来ならライバル同士である小売店の皆さんが、キャンペーンに賛同し結束してくれています。さらにメーカー、製造業者、デザイナー。ウールの可能性を探るため、あらゆる分野でクリエイティビティが思う存分発揮されました。世界中の主要なウール生産国が初めてひとつになりました。」。

チャール皇太子が特に感銘を受けたのは、小売店によるサポート。「本来ならライバル同士である小売店の皆さんが、キャンペーンに賛同し結束してくれています。さらにメーカー、製造業者、デザイナー。ウールの可能性を探るため、あらゆる分野でクリエイティビティが思う存分発揮されました。世界中の主要なウール生産国が初めてひとつになりました。」。

「皆さんの結束を目の当たりにして、希望が湧いてきました。力を合わせれば、直面するさまざまな環境問題を持続的に解決する糸口が見つかるはずです」。

世界を旅するウールモダン展

ロンドン開催ののち、次に目指すはドイツ。ベルリンのアレクサンダー広場にある百貨店、ガレリア・カウフホーフがその舞台だ

2012年4月には世界最大のメリノウール生産国、オーストラリアへ。ここではJosh Goot(ジョシュ・グート)、Collette Dinnigan(コレット・ディニガン)、現地で活躍する日本人デザイナーズブランドAkira Isogawa(アキラ・イソガワ)など19ブランドの作品展示も同時に行われ、大盛況を博した。

2012年10月には中国に到着。上海にあるアート&デザイン施設、外灘18号でウール・モダン展が行われた。ここでは8組の中国人デザイナーの作品を新たに展示。2008インターナショナル・ウールマーク・プライズ(IWP)の優勝ブランドQui Hao(クイ・ハオ)ほか、Vega Wang(ヴェガ・ワン)、Ma Ke Wuyang(マ・ケ・ウヤン)などが名を連ねている。オープニングにはMissoni(ミッソーニ)のクリエイティブ・ディレクターを務めるアンジェラ・ミッソーニ、ファッション評論家のコリン・マクドウェルも駆けつけた

約3年にも及ぶウール・モダン展の旅は、韓国で終着を迎えた。2013年11月ソウルのアラアートセンターで行われたオープニングセレモニー、200名以上のVIP名簿にはメディア、ブランド関係者、デザイナー、トレンド・セッターやパワーブロガーなどファッション業界のそうそうたる面々の名が見られた。

キュレーターを務めたシャーロット・ルロットは、同展についてこう述べている。「ファッションにインテリア、ジャンルの枠を超えてウールのクリエイティビティに挑戦した企画です。ウールをモダン、斬新かつアバンギャルドに表現することを第一に考えました。展示で周った世界各地の現地デザイナーとコラボレーションしたことで、イノベーションの水準はさらに高く引き上げられています。ウールという繊維が秘めた無限の可能性に、ただただ驚くばかりです」。

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