ナチュラルな繊維

生態学の観点からメリノウールを考える

繊維

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オーストラリア産のメリノウールは天然かつ再生・生分解可能(微生物によって分解が可能)な繊維。環境への負荷を最小限にとどめた服を、と考える人にとってパーフェクトな選択だ。

 

メリノウール。それはナチュラルで再生・生分解可能な繊維

オーストラリアンメリノウールは、文句なしに天然。オーストラリア国内で飼育されている7000万頭のメリノ羊から1年中成長する繊維だ。広大な草原で放牧させる放し飼いスタイルなので、羊たちはストレスとは無縁の生活。雨が非常に多い東部の沿岸地域から西部の乾燥した田園エリアまで、メリノ羊はオーストラリアののどかな景色を彩る重要な存在となっている。

メリノウールは生分解可能な天然のたんぱく質からできている。これは人間の毛髪に含まれているたんぱく質にとても近いもの。廃棄されても窒素栄養物を少しずつ放出しながら分解され、たった数年で土に還る。まるで肥料のように、価値のあるものに変化するのだ。それにひきかえ合成繊維は、分解までとてつもなく時間がかかる。

メリノウールはもちろん再生も得意。オーストラリアのメリノ羊は毎年新しいウールを生み出してくれるが、それに加え、牧羊業者たちは羊たちの住処となる牧草の管理にもとても熱心だ。これは新たな世代に引き継ぐ資源を守るためでもある。

見識ある消費者にとって、エシカルで環境に配慮することは、衣服そのもののクオリティと同じぐらい重要な意味を持つ。オーストラリア産メリノウールは、その高い基準を満たす数少ない存在なのだ。

 

メリノ羊を育てるという責任

サステナブルな牧草地で過ごすメリノ羊は、さまざまな種類の牧草を餌にできる性質を持っている。上質メリノウールを供出する牧羊業者たちは、環境維持・地域貢献・意識高い消費者のニーズに応えることすべてを考慮しつつ、オーストラリアらしいのどかな風景をいかに守るかを何世代にもわたり考え続けているというわけだ。

メリノウールの品質向上のため、牧場では選抜育種と呼ばれる方法でメリノ羊を管理。その繁殖過程は複雑かつ困難で、長年にわたる経験とスキルが必要となる。オーストラリアの羊毛産業界はより高品質でソフトなメリノウールを生み出すべく、その研究・発展に多大な投資を実施。生産者への指導にも余念がない。

牧羊業者たちは健康なメリノ羊を育てるのに多くの力を注いでいる。動物福祉、そして収穫するウールの品質向上どちらにも深く関係するからだ。特にオーストラリアはメリノ羊の福祉に関しては世界一を誇る。海に囲まれた大陸という特性のおかげで疾病が持ち込まれにくいため、天然でユニークな生態系を維持できているのだ。

象徴的な作業である羊の毛刈りには、ほとんどの牧羊業者たちが専門の毛刈りスペシャリストを雇う。毛刈りのやり方はここ200年の間ほとんど変わっておらず、熟練のスキルと体力を依然必要とするタフワークだ。ただし現代のバリカンは機能が向上し、体力も向上しているため1日に最高で180匹分の羊毛を刈ることも可能になっている。

いい環境で大切に育てられたメリノ羊こそが、素晴らしいウールを生む。かなり高水準の動物福祉、責任ある環境資源の利用、次世代へとつながる持続可能な牧羊経営……すべては羊のため、そして生産者のためでもある。

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