インドから新たな才能を発掘

2013/14インターナショナル・ウールマーク・プライズ インドおよび中東地区代表はラフル・ミシュラ

デザイナープロフィール

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過去から受け継がれたクラフトマンシップで、未来を着こなす

 

生地の上に物語を描く

世界が、そして人類が歩んできた過去100年の変遷。2013/14インターナショナル・ウールマーク・プライズ(IWP)の地区予選でRahul Mishra(ラフル・ミシュラ)が表現したかったのは、この壮大なテーマだ

ニューデリーのリーラ パレスで行われたインターナショナル・ウールマーク・プライズのインドおよび中東地区予選には、インド、アラブ首長国連邦、パキスタン、レバノンなどから10組のブランドが参加。優勝したのは、インドのムンバイをベースに展開しているラフル・ミシュラだった。

「物語が好きなんです。この物語の要素が、僕のデザイン哲学の最大の推進力になっているのです。私にとってストーリーはデザイン、そしてコンセプトの本質となるもの」と、ミシュラは話す。

“いかに自分を表現するかがすべて。服はその手段のようなものです” ラフル・ミシュラ

斬新なグラフィック手刺しゅうが施されたメリノ・ウールのジャケットドレス。刺しゅう部分は8枚の花びらを持つ蓮の花が複雑なフォルムに変化する様子からインスピレーションを得ている。美しく芸術性の高いコレクション、そしてミシュラが描き出したストーリーは、審査員の心をしっかりと捉えた。

ミシュラには優勝賞金5万豪ドルが贈呈され、地区代表ブランドとして2014年2月にミラノで行われるインターナショナル・ウールマーク・プライズ ファイナルにも出場することになっている。

ファイナルに顔を揃えるのは、ミシュラと同じく地区予選を勝ち抜いたアジア、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカの代表たち。それまでにメリノ・ウールを使用したカプセルコレクションを制作しなければならない。ミシュラは新たな課題を受け入れる準備がすでに整っているようだ。

 
 

手中に収めた世紀のチャンス

「インターナショナル・ウールマーク・プライズを目指して共に取り組んでくれたすべての人に対する、感謝の気持ちが抑えきれません。求められる内容がより高くはなりますが、この道のりはまだ始まったばかり。自分を信じる力も、これまで以上に涌き上がっています。このプライズは手がけてきた仕事が評価されるかどうかを確認できる貴重な機会。とはいっても、まだスタートしたばかりなのです」

地区予選の審査員は、その地区または国際的に活躍しているファッション業界の重鎮が務めることになっている。今年度のメンバーは『The Business of Fashion』創立者であるイムラン・アーメド、インド出身デザイナーのマニッシュ アローラ、国際羊毛繊維機構(IWTO)理事長ピーター・アクロイド、ザ・ロック・グループCEOサイモン・ロック、インド・ファション・デザイン評議会理事長スニル・セティだった

“服作りには、波があります。泣きたくなる時も、幸せな気分になれる時も” ラフル・ミシュラ

インドの伝統的なクラフトマンシップを発揮するミシュラだが、その表現方法にはこだわりがある。「現代的に、そして時代に合ったものに仕上げたいのです。そうでないと、工芸品として美術館に並んで終わるだけ。伝統技術は守るだけでなく、発展させることこそが必要。」。

2013/14 インターナショナル・ウールマーク・プライズ、ファイナルの賞金は10万豪ドル。さらに世界の有名百貨店でコレクションを販売できる権利が与えられる。ロンドンのハーヴェイ・ニコルス、ニューヨークのサックス・フィフス・アベニュー、ミラノのディエチ・コルソ・コモ、香港のジョイス、オーストラリアのデビッド・ジョーンズ、そしてドイツのオンラインショップであるマイテレサだ。

ファイナルのカプセルコレクション制作に向け、ミシュラはインドの伝統技術を取り入れながらもインターナショナルな視点でデザインする必要性を感じている。「世界はますます小さくなって、まるで地球がひとつの村のよう。世界中どこででも着られるユニバーサルデザインに仕上げなくては、と考えています」

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